当記事では円満退職に向けた退職の申し入れ方法(伝え方)を解説します。
退職の申し入れは極論で言うと一言「辞めます」で良いのです。
しかし、予め注意点やノウハウを知っておくことで
スムーズ且つノートラブルで退職まで持っていけます。
今回は私の実体験で注意したことや後になって後悔したことを盛り込んで
退職申し入れの何たるかをお伝えしていきます。
①退職の申し入れは上司に行う
上司というのは、あなたが所属する課や営業所、チームのトップです。
先輩に伝えても意味ないですから注意して下さい。
先輩に伝えてはいけないという法律は無いものの
間に伝言役を一人挟むとややこしくなるのが人間界あるあるです。
あなたの言いたいことが間違って伝わることだってありますし
間に立たされる先輩も大変です。
もし上司が嫌ならその上の人、それも嫌なら人事部長に直談判するのが良いでしょう。
上司ポジションの人が沢山いて上司が分からないなんて人もいると思います。
最終的にあなたが大ミスやらかした時に責任を持つのは誰か、というのも見分ける材料になります。
②急に話始めるのではなくアポを取り、別室で
思い立ったらすぐにでも言いたくなるのが人間の性なもんですが
間違ってもいきなり皆が居る事務所で上司に話し始めないで下さい。
周囲に内容を知られて良いことは無いですし上司も迷惑です。
アポを取るときは「相談があるのですが」は絶対NGです。
「お伝えしたいことがあります」や「大事なお話があります」にして下さい。
上司へのアポ取りの言い方
・「お伝えしたいことがありますので、どこかでお時間いただけますか」
・「大事なお話がありますので、どこかでお時間頂けますか」
※「相談があります」は絶対NG
相談の体にしてしまうと退職からは遠ざかると思って下さい。
上司からすると相談を受けると思ってその場に臨むわけですから
上司側の話の持って行き方によってはあなたの退職は有耶無耶にされてしまいます。
相談の場ではなく、あなたの意思を伝えるだけの場にしなければいけません。
あなたから上司への一方通行にして下さい。
③相手がパワハラ上司の場合は必ず録音機器を持ち込む
今やパワハラ上司相手であれば常識中の常識ですが
必ず録音機器を持ち込んで終始録音してくださいね。
パワハラでなくても、言った言わないの論争に発展することもあるので
基本的には録音した方が良いです。
今は別に録音機でなくてもスマートホンに録音アプリを入れれば良いです。
別室に入る前にアプリの録音をオンにして胸ポケットにでも入れて入室してください。
もし相手の暴言を録音できれば退職をかなり有利に進められます。
④退職を切り出す時に絶対に言ってはいけないこと
実際に別室などで上司と相対してから、話を切り出すことになります。
良い上司であれば「なんだよお伝えしたいことって(笑)」と
切り出しやすい雰囲気を作ってくれるものです。
切り出しにくくても覚悟を決めて言って下さいね。
さて、退職を切り出す際に言ってはいけないことがあります。
それは「退職したいと思ってます」とか「退職したいと考えてます」といった
未だ再考の余地があるような表現です。これは絶対に言ってはダメ。
「○〇したいと思ってる」、「〇〇したいと考えてる」は話次第で結果が変わる表現です。
上司はその余地を見逃さないでしょう。
あの手この手であなたの決意に揺らぎを作り有耶無耶にしてきます。
前項でも伝えた通り、この場は相談の場ではなくあなたの意思を伝えるだけの場です。
上司にとやかく言われる余地は極限まで少なくしたいのです。
ということですので
必ず「退職させて頂きます」「退職希望日は〇月〇日」
と、既にあなたの中で決定している事項をシンプルに伝えるようにしてください。
そしてこの時に一緒に退職願か退職届を提出します。
退職を切り出す時の注意点
・退職したいと思ってる、考えてるなどの曖昧な表現はNG
・「退職します」と、自分の中の決定事項をシンプルに伝える
退職願と退職届の違いについては下記の記事を参照してください。
⑤退職理由は会社にはどうにもできないことを言う
退職理由は必ず聞かれます。
この時に言うべき理由は会社にはどうにもできないことを言って下さい。
そうでないことを言うと隙を突かれます。
例を挙げておきます。
会社にはどうにもできない退職理由
・家族の介護
・病気
・実家の家業を継ぐことになった
・既に転職先が決定している
くれぐれも会社の悪口や不満を言わないようにしてください。
「それを改善するから、異動させるから残ってくれ」と言われたら
話の骨を折られてしまいます。そこであなたの退職話は終了です。
どうしても会社や上司の悪口をぶちまけたいなら最終出勤日のラストでぶちまけて下さい。
それなら自分にはダメージがありません。
もし上記の「会社にはどうにもできないこと」が言えないなら
ポジティブなことでも良いです。
ポジティブな退職理由
・独立する
・起業する
・別業界に挑戦したい
これでもまあ大丈夫です。
まともな上司、会社ならここで面談終了です。
あとは引継ぎスケジュールと最終出勤日を調整するだけです。
ただ、ここで厄介なのが相手が食い下がってくる場合です。
次項で食い下がって来る上司への対処法を説明します。
⑥引き止めを受けた場合の対処法
まず最初に引き止めを受けた時の根本的な考え方を説明しておきます。
会社があなたを引き止めるのは、あなたに優秀とか特別な価値を見出しているからなんてことはほとんどなく、あなたを採用・育成してきた手間とコストを考えたら、新しく人員を補充するよりあなたに居てもらった方が会社は得だからです。
それ以上でもそれ以下でもないです。
会社は徹底した合理主義です。
あなたの特別なアイデンティティを認めているわけではないこと、あなたはただの歯車の一つに過ぎないことを、よく頭に叩き込んでおいてください。
とは言っても引き止めすらされない人も世の中にはいますので(私の会社員時代も数名いました。)その人たちよりは評価はされていると思って悦に浸って下さい。
そのうえで、引き止めを食らった時の対処法は3つあります。
引き止めを受けた場合の対処法
1,頑なに断る
2,無理な条件を提案する
3,法律を持ち出して反論する
なるべく「1,頑なに断る」で会社には折れてほしいところです。
「2,無理な条件を提案する」は具体的には「じゃあ給料倍にして下さい、今すぐに」などです。本当に給料倍にしてくれたらラッキー。
まあ普通は「倍にできるか分らんが、上には掛け合うから」と言って有耶無耶にされるのがオチです。もし相手が条件を呑みそうなら一筆書いてもらってください。
最後の「3,法律を持ち出して反論する」はなるべく取りたくない手段です。
上司や会社と喧嘩することになりかねませんから。
退職時に覚えておいて欲しい法律については別記事を用意してますので読んでください。「会社に明日から行かない」を可能にするには【法律知識編】覚えるのは8つ
もし法律を持ち出さざるを得ない状態になったり、喧嘩になったりした場合の
最後の切り札を書いておきます。
退職申し入れ最後の切り札
1,夜逃げ退職
2,退職代行、弁護士
1,は夜逃げのように退職することですね。
詳細は別記事に書いてますので読んでみて下さい。
正社員の即日退職方法について体験談を踏まえて解説【準備5点】
2,はそのまんま、退職代行業者や弁護士に依頼して即日退職する方法です
これも別記事を用意してますので読んでください。
退職代行業者の選び方を解説【3つに絞りました】労働組合・弁護士の運営母体を選ぶべし
⑦引き止めのパターン
引き止めのパターンは数種類あります。
先に覚えておくことで冷静に対処できるようになりますので読んでおいてください。
・メリットを与えてくる
・「異動させるから」
・「ポストを用意するから、出世させるから」
・「給料を上げるから」
などです。
先にも書いた通り、大体は有耶無耶にされるので相手にしない方が良いですが
相手にするなら必ず一筆もらうことです。
・情に訴えかけてくる
・「お前に辞められたら俺の立場が悪くなるの分かるだろ、ここはなんとか俺の顔を立ててくれないか。」
・「お前のことは気にかけていたんだ。残念で仕方ない。思い留まってくれないか・・・?」
・「職場の同僚が悲しがるぞ、後輩のあいつなんかお前を慕ってるじゃないか。」
等々、お涙頂戴で訴えてくるパターンです。
文章だとなかなか伝わらないですが、直接目の前で言われるとまあ破壊力があります。(棒読みでなければ)
あなたの覚悟が試される時です。
注意すべき点として、あなたの上司がどんな人か分かりませんが
退職申し入れを受けるぐらいの地位の人は海千山千でしょう。
仕事に感情を持ち込むことはしないですよ。
十中八九演技ですから騙されないようにしてください。
・話しているうちにボロが出てきたところを集中的に攻める
よくあるのが下記のパターンです。
上司「次の仕事は決まってるのか?」
あなた「いやまだです」
上司「(あ、決まってないのね、攻めるならここだな)本当にそれで大丈夫なのか?まだこの会社に残ってしばらくは考えた方が良いんじゃないか?」
あなた「うーん・・・」
上司「この不景気で転職先も決めずに辞めると、下手したら行くとこまで行くぞ。」
あなた「そうですかね・・・・。」
上司「退職をしようとしてるのも一時の気の迷いじゃないのか?」
あなた「うーん・・・・。」
上司「(シメシメ^^)よし、一旦この面談は終わりにしよう。もう少し考えた方が良い。」
あなた「あ、はい・・・」
理屈っぽい上司だと、このようにボロを突っ込まれて有耶無耶にされます。
あなたの理論に軸が無いと、このパターンで見事にやられます。
理論武装もできてないとダメなのです。
上司が言ってきそうなことを予測して返す言葉を用意しておいてください。
・強硬策
「退職届は絶対に受け取らん!」
「後任者はお前がどこかから引っ張ってこい!」
パワハラ上司によくある、感情に任せて理不尽なことを言ってくるパターンです。
こうなったら法律を出すか業者に依頼するしかないです。
上にも一回出しましたが、再度関連記事を貼っておきます。
「会社に明日から行かない」を可能にするには【法律知識編】覚えるのは8つ
退職代行業者の選び方を解説【3つに絞りました】労働組合・弁護士の運営母体を選ぶべし
おわりに
当記事では退職申し入れのノウハウを解説しました。
退職の申し入れはかなりエネルギーが要りますが、ここが終わりではありません。
申し入れしてからがスタートです。
そして最終出勤日まで辛いのが退職です。
退職後にすぐ転職先に入社する人は大変でしょうが
一旦休む人はこれを乗り越えたら長期休暇が待ってます。
退職は最後は気合です。頑張って下さい。