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【古民家移住の現実】築60年 土地300坪の古民家に半年住んだ感想を書いていく

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どうもこんにちは。

ここ数年だろうか、一部界隈では田舎に移住して古民家に住むということが流行っている。空き家バンクができて、古民家探しをネット上で手軽に行えるのも理由の一つだと思う。

僕自身も、色々あって古民家を買うことになりそこに住んでいる。2022年2月末から住んでいて、もう半年は経ったので、古民家に住みたいという人の参考になると思い、僕の感想を記しておく。

一般論ではなく、あくまで僕の家に特化して書くので、そこはご了承いただきたい。

とりあえず、僕の今の家のスペックは下記の通り。

・1960年代築(築60年ちょい)
・2階建て13LDK
・土地面積300坪(1000m2)
・北陸
・田園地帯(平野)

1、僕が古民家に移り住んだ経緯

まずは僕が古民家に移り住んだ経緯を書いておく。

僕は2020年10月に4000万円の新築一戸建てを35年ローンで買ったのだが、色々限界になり2021年9月に会社を辞め、2022年1月に離婚し、同年2月に家を売却した。

家が売れなかったら自己破産するか自殺して保険で賄い、親族にでもあげる予定だったので、売れたのはラッキー。しかも残債無し。

そこから実家に帰って細々と個人事業でも始めようかと思ったけど、超安定志向の親父と話が合わず、というか鬼のようにめっちゃ今後のことに口出ししてきたので、これはもう実家に居たらストレスマッハだなと思い、半ば縁を切るような形で実家に帰る選択肢を消した。

そんなこんなで急遽次の住処を探す必要が出た時に、遁世シェアハウスという存在を知る。シェアハウスであれば自分の住居と収入源を一緒にできるので一石二鳥だなと思い、大きめの古民家を買うことにした。というのが経緯。

ちなみに、一人目の住民を受け入れた時点で、生きてきた環境が全く違う人との同居生活の難しさを実感し、シェアハウスはすぐにやめた。これについては別で詳しく書く予定だが、やはり大家と借主が一緒に住むのは難しいと思う。

ということで今は13LDKの大きい古民家に一人で暮らしている。

僕自身、和風建築は好きではあったのだが、それはしっかりと手入れがされた綺麗な和風建築が好きなだけで、数十万や数百万で買える家はそういったものからは程遠いことを知ることになる。

2、僕の家の良いところ

①騒音出しても大丈夫

隣家は空き家だし、向かいは道路を挟んでさらに庭の奥に家があるので、騒音については何も言われない。

夜中にギターをジャンジャン弾くし、一人で歌ったりもする。

逆に隣家の出す騒音というものも基本的には無い。

夜は虫の鳴き声だけがする。

②いくらでも荷物を置ける

これは僕の家が無駄に13LDKもあるからだが。

そこに、さらに蔵と納屋もある。

残置物もそこそこあるが、それでもスッカスカ。

何か始めたいときにはスペースはいくらでもあるという安心感はある。

③都会の喧騒から隔たれた感ある

もう慣れてしまったのだが、やはり田舎は都会に比べゴミゴミしてないし、比較的静かだ。
道路族に悩まされることもなく、酔っ払いの大声にビビることもない。
建物が少なく、田んぼばかりなので開放感もある。
春や秋に散歩すると非常に気持ちが良い。

④水洗トイレ

築60年だと普通ボットン便所だが、トイレだけは若干リフォームしてあり、水洗トイレだ。

もしボットンから水洗トイレにすると上下水工事などで軽く100万円は吹っ飛ぶのでありがたい。

3、僕の家の悪いところ

①虫がやっぱり多い

築60年の家だと、家が若干歪んでたり、木製サッシだったりするので隙間がめちゃくちゃ多い。

1cmぐらいの隙間があちこちにある。だから虫が入り放題なのである。飛んでる小さい虫は蛍光灯の下で山のように死んでるし、ダンゴ虫がそこら辺を闊歩している。どこから入ったか分からない大き目のカナブンやクモ、ムカデも見た。

ゲジゲジなんかは窓を開けると高確率で遭遇する。だからもう開けてない。ゲジゲジは益虫なんだけど見た目が気持ち悪いし、スピードが速いので、自分に向かって走って来た時は流石に悲鳴を上げた。

Gの赤ちゃんを引っ越し当初に見かけ、速攻でホウ酸ダンゴを買ってきて全部屋にばらまいたら、それ以来1匹も見てない。ムカデを夏に見たのでムカデ用の毒餌も全部屋に設置したら、ムカデはもちろんゲジゲジも見なくなった。

とはいえ半年経ってもやっぱり虫嫌いは直らず、今でも寝ている時に堅いものが肌に触れると虫かと思ってガバっと起きてしまう。(実際は布団についてるタグだったりする)

洗濯機が外に設置してあるのだが、洗濯機周りは水気があり虫だらけ。だから洗濯機を使うのが今でも億劫だ。

無防備な時に大きい虫に会いたくないので、トイレや風呂に入る際は毎回軍隊かというぐらいにクリアリングしている。

②庭の雑草対応が無理ゲー

庭がかなり広いのだが、ほとんどが土なので、当然雑草が生える。3~5月は大して生えてなかったので油断してたら、梅雨時期ぐらいから凄いことになった。

1週間見ないうちに竹がニョキニョキ生え竹藪になり、蔦みたいのが家を這い、自分の胸の高さぐらいの雑草が生い茂った。すぐに草刈り機を買ったが、300坪の敷地を一人でやるのは無理ゲーだった。特に蔦みたいのは普通の草刈り機だとかなり刈り辛い。

こいつらを相手にするには、毎日コツコツやるか、大量の除草剤を撒くしかない。(除草剤が高いのだ。1本3000円とかするのを、10本以上買わないといけない。それも毎シーズン。)そんなの労力的にも金銭的にも無理。

前の家主はよく維持したもんだと感心してしまった。

というわけで、今の庭はアマゾンに比肩するぐらいのジャングルになってる。前に蛇も見かけた。蔦が窓の隙間から入ってきたりもしてビビる。

結論、面倒くさがりの人は、庭は小さい方が良い。

③夏は普通に暑いし冬は寒い

古民家は風通しが良く、夏は涼しいもんだと思ってたが、実際は違う。というか最近の気温が高過ぎて、40℃近くになったら風通しが良くても激暑である。山奥の古民家なら涼しいんだろうが、僕の家は平野部なので普通に暑い。

窓を開けるにも網戸が無くて(若しくはあっても壊れてるか穴があいてる)、虫が嫌なので締め切っている。木製サッシだから網戸が無事だったとしても隙間が大きく、それなりに虫が入ってくる。窓を開けると虫が入ってくる、トレードオフだ。

結局はエアコン頼みになるのだが、13LDKでエアコンが付いてるのは1室のみ。そのエアコンもぶっ壊れてるし、新しく設置するにも間取りの都合でかなり工事費が嵩むことが分かった。

だからスポットクーラーを買ったのだが、これの電気代がエグイ。

7月は猛暑だったので四六時中付けていたら電気代だけで2万2000円になった。
それからは日中の糞暑い時間帯以外は扇風機でなんとかしてる。

そして当然、冬は寒い。激寒である。
断熱材という概念とは無縁の家だからだ。
めちゃんこ寒い。

大規模リフォームでもしない限り、この環境と付き合っていく必要がある。

④電気関係が激弱

電気関係は家を買うときに全く気にしてなかったのだが、いざ入居して気付いた。

「あれ、コンセント少ないな・・・・」と。

台所には2つしかなかった。しかも換気扇用と冷蔵庫用。電子レンジとかトースター、電気ポットは使ってなかったようである。

そして1階は全部屋に1つコンセントがあったが、それを全部1回路でまかなっていた。具体的には、15アンペアを6部屋で分割使用していたのだ。現代の家は最低でも1部屋15アンペアだ。昔の家はバリバリ電気使うことを前提にしてないのである。(参考程度に、ドライヤーは10アンペア。こたつは5アンペア。)

さらに、家自体の容量も30アンペアだけだったので、シェアハウスにしたかったこともありこれでは足りず、とりあえず60アンペアに切り替え。60アンペアにするには配電盤と外の引き込み線の交換が必要で15万円ぐらい取られた。

台所にコンセントを4個増設。これも結構大掛かりになり15万円ぐらい。

家を買う前に電気関係もよく見た方が良い。

⑤勝手にドンドン汚くなる

隙間があるから虫が勝手に入って死んでいくし、僕が住んでいるのにクモが巣を張りやがる。

また、風が強かったりすると家の中にも風が吹いて、棚の上やサッシに溜まった埃がそこら辺に散らばる。壁材か何かも取れて床にポロポロ落ちてくる。

気密性の高い家なら1か月放っておいても大して汚くならないけど、この家は相当汚くなる。最初は気にしてたけど、最近は自分の使う部屋以外はもう見てない。

1階は全室新品のゴザを敷いたけど、何故かめっちゃカビが生えてる部屋がある。
原因不明。

⑥家のパーツが外れていく

夜に寝ているとたまに「ガシャーン」とかいう音がして飛び起きる。怖いのでそのまま寝て、朝に見回ると大体納屋のパーツが地面に落ちてる。こんなもんいちいち修理してたら金が無くなるので放置。いつか崩壊するかもしれないが、今は考えないことにする。

⑦地域の付き合い面倒くさい

僕の隣近所は空き家が多いのだけれども、地域の清掃などの集まりはまだ残っている。夏の初めと終わりに神社の雑草刈りや側溝の掃除をする。ちなみに僕は都合が悪く1回も出てない。

自分の家の雑草すら処理できてないのだから勘弁してくれ。

⑧自販機やコンビニなどが半径2kmにない

ふと甘い物が飲みたいと思ってもすぐ行ける距離に自販機やコンビニが無い。今まで僕は自販機やコンビニまで歩いて数分のところばかりに住んでたからこれはなかなか不便だ。

嗜好品があればストックしておく必要があり、思い付きで行動がしにくいのである。

その分無駄遣いはしなくなったと思うかもしれないが、出かけた際に「せっかく外に出たのだから」と必要以上に買ってしまう節がある。

⑨国道沿いに後悔

家の隙間が多い+国道沿い=車の騒音地獄である。

家の防音なんて無いに等しい状態で、昼間はそこそこ車が通るから、ロードノイズが煩いのなんの。庭がある分若干距離があるものの、通勤ラッシュの時間帯は結構気になる。

ちなみに同じく騒音で言えば、近所が田んぼだらけなので、シーズンになると農家のトラクターなどの機械音がそこら中で鳴ってるし、土日は草刈り機のエンジン音がずっと響く。

田舎も結構うるさいのである。

⑩現代的な施設が恋しくなる

 

 

古民家って隙間が多く半分外みたいなものでどこか落ち着かず、古めかしい内外観も見飽きてくる。どこぞの大名屋敷だったらまだしも、結局はただの古い民家である。外を歩いているのはお爺さんとお婆さんばかり。ひたすら刺激が無い。それが良いという人もいるだろうが、僕はちょっと無理だ。

そんな時はデカ目のショッピングモールに行って、現代的な建築や物、若い人達を見たくなる。

こういう古民家は、ちょっと体験するぐらいで良いのだ。現代的な家で育ち、現代的な環境で育った僕にとっては、色々難しい。

ちなみにこの写真は僕が前に住んでいた家の写真だ。凄く懐かしくなる。

⑪広過ぎて固定資産税が高い

「土地面積300坪、かっちょいい!」と思った僕が馬鹿だった。古い建築物は固定資産税がかなり安くなるものだが、それでも家と土地が広すぎて年6万円は固定資産税で取られてしまう。

当時はシェアハウスにするつもりだったから今の家の選択は悪くないのだが、今となってはこじんまりとした家で良かった。

おわりに~古民家はちょっとした興味本位だと多分長く続かない~

僕は半年しか住んでないが、古民家には飽き飽きとしている。家の周りの古めかしくどこか懐かしい雰囲気も、長く居ると普通になってしまう。心の底から好きでないとこういう家や暮らしは向かないと思う。

綺麗にリフォームして過ごしやすくした古民家なら良いかもしれないが、金の問題がある。
テレビなんかで見る「憧れる和モダン」なリフォームは、数千万円掛かるだろう。大したリフォームをしてない古民家は、現代人には辛いことが多いのではないだろうか。

ぶっちゃけ、僕みたいな人間には杵築市のワンルームアパートが最適解だったと思う。

まあ僕は趣味が多くて荷物も多いところがネックなんだけど。

今の家は購入から改装までで250万円以上掛かっているが、その額の金があれば杵築市だと10年は住めてしまう。(月2万円と仮定)

こんなの住んでみないと分からないからね。

ではまた!