当たり前ですが、退職を決めるのは今日の晩御飯を決めるのとはわけが違います。人生を変えると言っても過言ではないので決断するには相応の勇気が必要です。
この勇気が出ずに、いつまでも行きたくない会社に行き続ける人が多いです。それでどうにかなってるなら良いと思います。
しかし精神的に追い詰められてもなかなか退職に踏み切れない人がいるのも事実。当記事ではそういった人へ退職する勇気を身に付けるためにどうするかという話を述べていきます。
先に書いておきますが精神論ではなく具体的な手法を説明しますので現物主義の方はご安心ください。
そもそも勇気とは
勇気を身に付ける話の前に、そもそも勇気とは何かを解説します。
解説というよりただの引用ですが、とりあえずウィキペディアの該当記事を見ましょう。
勇気とは、普通の人が、恐怖、不安、躊躇、あるいは恥ずかしいなどと感じる事を恐れずに(自分の信念を貫き)向かっていく積極的で強い心意気のこと。勇ましい強い心をいう。引用:WIKIPEDIA
一言で表現するなら「マイナス要素に怯えることなく突き進む精神力」とかそんなことだと思います。
分かりやすく勇気の逆の意味を考えると「恐怖、不安、躊躇、恥ずかしいことなどを恐れ、立ち向かえず消極的で弱い心のこと」となりますね。
なぜ退職にわざわざ勇気が必要なのか
お次は、なぜ退職に勇気が必要なのかを言語化してみます。
今まであなたは入学、卒業を何度か経験し、入社もまあまあ普通にこなしてきたはずです。その時に勇気は必要でしたでしょうか。
恐らくそんなに必要無かったと推測します。なのになぜ同じように退職することに踏み切れないのか。その理由は大体3つに分類できます。
退職にわざわざ勇気が必要な理由
・退職は当たり前なことではないから
・今までに自分で大きな決断をしてきてないから
・退職は今までに経験したことのない直角ルートだから
それぞれ解説します
退職は当たり前なことではないから
あなたが今まで入学、卒業、入社を大した勇気も持たずに乗り越えてきたのは「当たり前」という価値観に乗っかってきたからです。
小学校や中学校は義務教育だから特別ではないですが高校入学、大学入学、入社は本来は人生を大きく変える選択だったはずです。しかし、みんな当たり前のように高校や大学に入学、会社に就職していきますから、自分もその波に乗ってなんとなく進路を決められるので特別な勇気など必要ないわけです。
一方の退職は、みんな当たり前のようにやるわけではないです。
さらに日本では「退職=脱落者」といった風潮もあるので輪をかけて勇気が必要なイベントになってます。
今までに自分で大きな決断をしてきてないから
前項と意味合いが多少被りますが、今までに自分で大きな決断をしてきてない人も退職に勇気が必要になります。
あなたは高校を決める時、大学を決める時、会社を決める時、自分一人で決めてきましたか。
「高校も大学も自分の偏差値を基準に、進路相談の先生、親の意見に従ってきた。」
「会社はたまたま入った高校や大学でなんとなく専攻していた分野で決めたり、なんとなく受けて受かった会社に入った。」
会社ですら親に意見を聞いた人もいるかもしれません。
こんな人が非常に多いと思います。
これは決断をしていないと同じです。
大きな決断には経験というか、手法がありますので、慣れていないと当然決断なんてできません。私はそのまんま「自分で決断できない症候群」なんて呼んでますが、人生で大きな決断を自分でしてこなかった人は退職も一人では決断できません。
しかも社会人になってますから頼れる先生もいません。会社の上司に相談することでもないです。基本的には自分一人で決めないといけないわけで、多くの人が初めて一人でする大きな決断になるので、勇気が必要になります。
退職は今までに経験したことのない直角ルートだから
退職は多くの人にとって今までに経験したことのない直角ルートを辿る不安感満載のイベントです。
直角ルートとは何ぞやと思われるでしょうから説明します。
あなたの人生は今まで紆余曲折あったと思いますが、なんだかんだ言っても方向性としては右に行くのも左に行くのも綺麗な曲線を描いてきたはずです。なんとなく親に言われ、周囲に流され、ぼやーっとした感覚で生きているとこうなります。
図解するとこんな感じです。
一方の退職は直角の動きになります。
図解するとこうなります。
退職は今の生活と今後の人生を一変させますので、人生の方向性が今までに経験をしたことのないエグイ直角を描きます。これが今まで普通の人生を送ってきた人には未知の領域となり大きな不安になるわけです。しかもこれを右に倣えでやるのではなく、あくまで自分の意思でやらないといけません。
退職する勇気を身に付けるためには
やっと本題の勇気を身に付けるための方法を説明します。
ここまで勇気という抽象的な言葉を使ってきましたが、分かりやすく言うと「決断をしてそれ通りに突き進むこと」が勇気ある状態であると考えます。
勇気=決断をしてそれ通りに突き進むこと
決断する方法と突き進むことはそれぞれ分解して説明します。
勇気ある状態にする(=決断する)方法はとにかく情報を集め整理すること
決断には何より情報が必要です。
情報収集8割、思考2割ぐらいです。
例えば将棋で言うと、極端に言えばどの駒がどこにあるかも分からない状態では次の一手は考えられません。また、相手の実力や得意戦法なども情報としてあればそれに越したことは無いです。駒の配置が分かり、相手の出方が分かるからこそ次の一手が考えられるわけです。
現実も一緒で、まずは自分が今何を不満に思っていて、それに対しどういう生活が理想と思っているかという自分の心理情報を整理してください。
次に、もし退職したら何が不安点か、どうすればその不安を解消できるかの情報も収集して整理します。
最後に、もし退職しなかった場合はどうなるかもシミュレートします。
決断できる人はこういうことを常に計算しているのです。
これらは頭の中で考えていてはいつまで経ってもモヤモヤするだけなので実際に紙に書き出してください。
超重要なのは、これは誰にも相談せず自分一人で進めて下さい。
周囲に相談してしまうと人によって言うことが違い右に行ったり左に行ったりと訳が分からなくなります。また、その人のせいだと責任転嫁してしまう余地が出て、結果として中途半端な結論が出てしまいます。
必ず一人でやり、全責任を自分で負うことです。これが決断をするということです。
では手順をまとめますと下記の通りです。
退職するかどうか決断するための手順
その①現状の不満点を書き出す
その②不満点から考えられる理想の仕事を書き出す
その③理想の仕事を実現するために必要な情報を集める
その④退職後の不安点を書き出す
その⑤退職後の不安点の解消法を徹底的に考える
その⑥退職しなかった場合どうなるかをシミュレートする
その⑦総まとめとして退職することに価値と勝算があるか考える
それぞれ具体的に解説します。
その①現状の不満点を書き出す
現状の不満点を書き出すのは簡単だと思います。
あなたは不満があってこの記事を読んでいるから当然ですね。
例えば下記のように書き出してください。これは私が実際に退職の際に書き出したことです。
現状の不満点(例)
・他人に指示されるのが嫌
・常に上司の顔色を伺うのが馬鹿らしい
・長時間労働
・今の仕事はそんなに向いてないし好きでもない
・一人でも稼げるスキルが身に付かない
・こんなのあと30年や40年もやってられない
・寝たいときに寝られない
・部下の管理も面倒くさい
・出社が必要だとペットも飼えない
次はこの不満点を使って理想の仕事像を考えます。
その②不満点から考えられる理想の仕事を書き出す
その①で挙げた不満点へ逆張りをして理想の仕事を書き出します。
これも私が実際に出した例です。
理想の生活(例)
・他人から指示されない
・上司がいない仕事
・短時間労働
・好きで向いている仕事
・一人でも稼げるスキルが身に付く
・何十年でも続けられる仕事
・寝たいときに寝られる
・部下がいない
・家でできる仕事
これが私の理想の仕事でした。もうこうなると個人でできる仕事しかないんですね。
ここで妥協しないようにした方が良いです。理想を妥協したらまた中途半端な道に進んで同じ道を歩む恐れがあります。徹底的に理想な仕事を書き出すことです。
尚、ここから先は私の挙げる例が個人仕事基軸になっていくので、転職を視野に入れている人は例を見ても参考にならないと思います。
その③理想の仕事を実現するために必要な情報を集める
私の理想は、家で、個人でできる仕事が理想だったので
まずはそういった仕事が無いか徹底的に調べました。
具体例を挙げますと下記の通りです。
・プログラマー
・デザイナー
・ライター
・アフィリエイト
・YOUTUBER
・株・FX
・せどり
・物販
この中から自分にできるのはライターとかアフィリエイトぐらいだったのでその仕事内容と収益の実現性を調査。
一方、プログラマーも独学でいけるのか、専門学校に行く必要があれば金額はいくらなのか
どのくらい期間が必要なのか、卒業していきなりフリーランスで食っていけるのかも確認しました。
結論は、アフィリエイトとライターに全力を尽くすことにしました。
普通に転職したい人は、転職先の業界や会社の口コミをネットなどで徹底調査するしかないです。
その④退職後の不安点を書き出す
退職後の不安点は、転職する人は転職先が見つかるのか、転職先でもやっていけるのか、独立する人は本当に食えるのか、といったところだと思います。
私の場合の不安点(例)
・貯金が尽きる前に収益化できるか
その⑤退職後の不安点の解消法を徹底的に考える
退職後の不安点に対して解消法を徹底的に考えて下さい。
ここが最終結論を出す時の肝になります。
私の場合は貯金が尽きる前に収益化できるかどうかが最大の不安点だったので、自分が進みたい分野の情報を収集して整理し、退職後から貯金が尽きるであろう日までのスケジュールを用意して具体的に収益化プランを作りました。
情報の収集方法は下記の通りです
・その分野の本を10冊読む
・ネットで関連語句を全部検索して上位20~30位ぐらいまでのサイトを全部読む
これでざっくりと自分が進みたい分野の全体像は掴めます。
実際は、やったこともない仕事の収益化プランを作っても実現性に欠けているわけですが、今できる範囲で徹底的に詰めたプランを考え、それによって自分を納得させることが重要です。
コツは周囲の人間を論破できるレベルまで作り込むことです。合ってるか合ってないかではなく、内容の根拠や緻密性が重要です。
いざ退職となると不安になりますが「あそこまで頑張ってプランを作ったじゃないか」と自分を奮い立たせることができます。また、「あのプランがあるから大丈夫だ」とお守り代わりにもできます。
鬼努力で作ったプランは自信になる
その⑥退職しなかった場合どうなるかをシミュレートする
ここで、退職せずこのまま続けたらどうなるかも考えて書き出します。最終結論を出す時に、退職をした場合としなかった場合とで比較して考えるために必要です。
私の例を挙げておきます。
・一生会社や仕事の愚痴を周囲にこぼしながら生きていくだろう
・ストレスでうつ病になるかもしれない
・老人になった時に後悔している可能性大
・会社に飼われてしまう
その⑦総まとめとして退職することに価値と勝算があるか考える
以上の6点を総まとめして退職することに価値があるかを考えます。シンプルに、退職しなかった場合と退職した場合を比較すると分かりやすいです。
私の場合、退職した場合の不安点に対する解消法は自分で結論を出していますので(内容が穴だらけとしても)退職しない理由が無かったです。そういう意味では「その⑤退職後の不安点の解消法を徹底的に考える」を本気で考えることが超大切です。
これで結論が出ます。
突き進む方法
出した結論に対し、今度はそれ通りに突き進む必要があります。
突き進むコツを挙げておきます。
・反対意見に耳を貸さない
・プランを持っておく
それぞれ解説します。
反対意見に耳を貸さない
断言しますが、反対意見に耳を貸したらその時点であなたの夢は叶いません。
人というものは責任を取ることを避ける生き物です。責任を取りたくないということは「保守的」であり「ありきたり」なことを言いたがります。要するに現状維持をあなたに求めてきます。
現状を維持されたらあなたは辛いままです。従って、あなたは反対意見は無視して良いのです。悪く言えば自分を洗脳状態に持ち込むことです。
もし反対してくる人がいたら責任を取ってくれるか聞いてみて下さい。「このままの人生で私が老人になった時に後悔していたら、あなたはどう責任を取ってくれますか」といった感じで。高確率で黙ると思います。現状維持大好き人間に他人の責任を負おうなんて人はいませんから。
全責任は自分で負って下さい。そうすれば言い訳できず、自然と突き進むしかなくなります。
プランを持っておく
これは決断する項でも述べたことですが退職後の明確なプランを持っておくことがそのまま自信になります。
実際は退職後にやりながらプランを細かく修正していく必要があるのですが、退職まではそのプランをお守りにして突き進んでください。
それと、仮にあなたが50時間かけて作った退職後のプランがあるとします。周囲の人がもしそのプランに何か言ってきたとしても50時間真剣に考えた人に勝るわけがないです。もし素人相手に反論を許してしまった場合は、未だプランに致命的な穴があるということで、修復する必要があります。
決断して突き進んだ経験が今後の人生を大きく変えます
以上にて、決断して突き進む手順を説明しました。
この記事を一行でまとめると、時間を掛けて情報を収集整理し、プランを作り、プラン通りに進むことです。
あなたは今までの人生において、このように真剣に人生の方向性を決めたことはありますか。退職する決断ができた人は、今後の人生が大きく変わり始めます。
一方、退職をしないという結論に至ったとしても、徹底的に考えて結論を出した経験は今後の仕事でも活きるはずです。
退職手続きが手間なら退職代行を使うのも手
いざ退職する結論を出したとしても、退職自体は手間と時間が掛かります。職場によっては引継ぎに数か月なんてところもあり、せっかく退職後のプランを考えたのに出鼻をくじかれることになります。
そんな時は退職代行を使ってサクっと会社から去るのも手です。退職代行の選び方は別途記事を作成してますので読んでみて下さい。
退職代行業者の選び方を解説【3つに絞りました】労働組合・弁護士の運営母体を選ぶべし
また、当ブログでは「即日退職したい人」「円満に退職したい人」「退職代行を使いたい人」に対してそれぞれ実現に向けてサポートする記事を書いてますのでご一読下さい。
記事一覧はこちら