当記事の対象読者
・ケアレスミスが多い人
・ケアレスミスが多い部下を持つ人
ケアレスミスが頻発して不甲斐無い想いをしてませんか。
若しくはケアレスミスが頻発する部下にうんざりしてませんか。
この記事を読むことでそんな悩みを根本的に解消できると思います。
ケアレスミスは努力で低減できるが根治は無理
先に残酷な結論を言ってしまいますと、ケアレスミス多発は努力で少しは低減できますが根治は無理です。
ケアレスミス多発の原因は、脳に問題がある可能性が高いからです。
具体的に言えば発達障害(特にADHD:注意欠如多動性障害)であったり、ワーキングメモリー(短期記憶能力)が低い場合が多いでしょう。
要はやる気の問題ではなく、自分自身の素質・体質・特性の問題です。
重度でなければ対策・工夫・訓練を重ねることで常人レベルまでミス確率を下げることは可能な場合もあります。
とはいっても常にミスが出ないように常人の何倍も気を張っている必要があり、数倍疲れやすく、シンドイ毎日を送ります。平日に力を出し切って土日は寝てばかり。私がそうでした。
そういうことで、今の仕事に拘らず、ケアレスミスが多くても問題にならない仕事に変えた方が幸せになれますよ、というのが私の主張するところです。
向いていない仕事で職歴を重ねると、後になってとてつもない後悔が襲ってきます。
私は医者ではありませんが、社会人時代の大半をケアレスミスと戦ってきた人間で、ありとあらゆるミス対策本を読み、時には医者にも相談してきたので、多少の説得力はあるはずです。
念のため自己紹介を軽くしておきます。
・大手企業での総合職として13年間勤務
・ケアレスミスでの叱責 無数
・ケアレスミスでの顛末書作成 無数
・ケアレスミスで仕事を干された回数 3回
書いていて悲しくなるような実績ですが、決してやる気が無いわけではないんです。むしろやる気満々だったので、ミスをする度に自分の能力に愕然とし、滅茶苦茶落ち込んできています。
同じことが起きないようにミスの原因を分析し、対策を立ててきています。
そんなことを10年以上も繰り返していると自分のケアレスミスの特徴を掴むことができ、最適な対策を盛り込むことで通常の環境下ではかなりミス確率を低減できるようになりました。
しかし忙しかったり疲労が溜まってくると結局ケアレスミスの嵐が発生。
特に睡眠時間の確保が重要だったのですが、毎日14~16時間の長時間労働を当然のように課してくる会社と、私の特性を理解してくれない家庭に挟まれ、睡眠不足からの認知機能低下、そこからのミス連発が慢性化し、少なくともその職場には適性が無いと判断し辞めました。
同じような環境下でもミスをしない化け物のような人が多くいるんですよね。驚くことにそれが普通らしいです。私には到底無理。
結局13年間耐え続けた生活は何の意味も無く、今はフリーランスで生計を立てるべく修行している毎日です。
10年前の自分に会えるのなら「結局ケアレスミスは治らなくて延々足を引っ張られるから、さっさとミスが出ても良いような仕事に変えた方が良いよ」と言いたいです。
この項のまとめ
・ケアレスミス多発は脳に問題がある
・ケアレスミスの頻度は対策・工夫・訓練で低減できる可能性がある
・常に気を張るので普通の人の何倍も疲れやすい
・体調を万全にしておかないと結局ミスが多発する
・ケアレスミスが問題にならない仕事に就いた方が良い
ケアレスミスのあるあるパターンと予防策
前項ではケアレスミスは脳の問題ですと元も子もない結論をお伝えしましたが、一応、私が13年間の総合職勤務で培ったケアレスミス対策を紹介します。
ケアレスミスの根治は不可能ですが、そこまで重度でなければ予防策を張ることで低減させるようにはできます。
例えば下記のような事態はケアレスミスとして「あるある」なパターンだと思います。私は全部経験しています。
これを元に、一つずつ予防法を解説していきます。
・請求書や見積書の金額を間違える
・FAXの送り先を間違える
・チェック作業をしてもミスを拾い切れない
・手配したつもりが手配してない
・約束の日を間違える
・郵送するつもりの書類を鞄に入れて存在を忘れる
・高速道路の目的の出口で降りるのを忘れる
・口頭で3つ指示されると1つかならず忘れる
・手順を覚えた気になっても1つは飛ばしてしまう
・Aをしている時にBを指示されCから電話が掛かって来ると、AとBを忘れる
請求書や見積書の金額を間違える
ここでは請求書や見積書と書きましたが、要するに間違ってはいけない書類で間違ったことを書いてしまうというケアレスミスについて説明します。
書類作成時に他の気になることが脳裏に浮かんだり、雑音が気になったり、話しかけられたり、電話が鳴って気を取られた時に高確率で発生します。
予防策
・静かな環境で作成する
・書類の項目一つ一つを指差呼称する
・完成したら印刷して「レ点」チェックする
この手のミスの原因は大体が「思考の多動による注意力散漫状態」によるものです。目の前のことに集中できず他のことが気になってしまい目の前の処理を無意識でやってしまいミスが起きます。
静かな環境で作成するとミス確率はかなり下がりますが、テレワークでもなければなかなか難しいと思います。
騒がしい職場でも意識を書類に向けるために、各項目を指差しして言葉に発することで無理やり集中させケアレスミスを低減することができます。
最後に完成した書類は紙に印刷してペンを使って全項目を「レ」を書くようにチェックしていきます。ここまでやればほぼミスは無くなると思います。
ただし、忙しかったり疲労が溜まっていると、この予防工程を守れずケアレスミスが暴発することになります。
いかにして予防工程を守るかが肝です。
FAXの送り先を間違える
複合機の前まで行き、A社に送るつもりがその他の会社や、自分の事務所に送ってしまうことがあります。
原因は前項と一緒で「思考の多動による注意力散漫状態」です。FAXを送る時に別のことを考えてしまうから発生してしまいます。
予防策
・FAXの送付先を声に出しながら複合機を操作する。
例えばA社に送りたいなら「A社、A社、A社・・・・」とブツブツ独り言をつぶやきながら複合機を操作して下さい。
傍から見ると異常者ですが効果は抜群です。
チェック作業をしても間違いを拾い切れない
自分の書類だけでなく、他人の書類をチェックするような業務でも間違いを拾い切れないことがあります。
チェック中につい他のことを考えてしまい、目ではチェックしていますが認知できてない状態になるとこうなります。
予防策
・絶対に最低1つは間違いがあると思ってチェックする
・ミスを見つけられなかったら死ぬと思い込む
まずありきたりなのが「多分問題ないだろう」と思ってチェックすると必ず抜けが出てきます。間違いがあることを前提にチェックすることで集中力が増します。
また、ミスを見つけられなかったら「死ぬ」とか「家族が殺される」などの仮想罰を用意するのも若干効果があります。
あとは請求書作成で挙げた予防策も張ると十分です。
手配したつもりが手配してない
私は物流会社に勤務していたのですが、トラックを手配してたつもりが全く手を付けてなかったとか、行き先を間違えて指示してたことが多々あります。
ただ忘れていたのではなく、「間違いなくやった」「正しい指示をした」と思い込んでいるのが怖いところです。
原因は「記憶の無意識の改ざん」です。AとBという似たような処理を同時進行しているとして、AはやったけどBは未だやってないという状態の時に、ある拍子にBもやったと脳内で間違った認知・記憶をしてしまうわけです。
予防策
・処理完了の確認をする
・手配内容の確認をする
・毎日時間を決めて上記2点を確認する
手配したつもりが手配してない系のミスは大事になりがちです。必ず処理後に完了しているか、手配した内容が合っているか時間を作って確認して下さい。
自分の記憶力を過信しないことがコツです。臆病になって下さい
約束の日を間違える
お客さんと会う日とか資格の試験日を間違えて大事になったことがあります。これは手配したつもりが手配してない系ミスと同じく、記憶の改ざんが原因です。
予防策
・スケジュール帳には予定が決まったその場で書き込む
・約束の日の1週間前(などの取り返しが付く日)になったら間違いないか確認する
スケジュール帳に予定を書き込む場合は記憶が新鮮なうちに書きこんで下さい。間を空けてから書き込むと記憶が間違っている可能性があります。
それと約束の日に近くなったら認識に間違いが無いか確認をして下さい。
お客さんに日付を確認すると変な奴だなと思われるかもしれませんが、間違えるより1万倍マシです。
いきなりお客さんから電話があって、「あれ、〇〇さん(私)、今どこですか?私集合場所に着きましたよ。」と言われたら心臓飛び出ますよ。
郵送するつもりの書類を鞄に入れて存在を忘れる
請求書を郵送しようと鞄に入れたら請求書の存在を忘れ1か月以上放置したことがあります。目に触れることがないと完全に忘れてしまうのが原因です。
予防策
・あえて郵送物を鞄からはみ出すように入れて見えるようにする
・1日に1度は鞄の中身をチェックする
・メモ帳に「請求書鞄に入れた」などを書き込む
本当に子供みたいで悲しくなるのですが「目に入らない=忘れる」はかなり高確率で発生しました。とにかく目に入るように工夫することが必要です。
高速道路の目的の出口で降りるのを忘れる
営業や出張で車で移動している時に、目的の高速道路出口で降り忘れることが頻発してました。高速道路出口だけでなく、曲がるべきところで曲がり忘れるなどもあります。
特に、土地勘があってナビを入れなくても良いような時で、同乗者と喋っているとほぼ間違いなく発生します。
原因は、脳のワーキングメモリー不足によりマルチタスクができないからです。ただでさえ「運転」と「会話」の2つ同時タスクをしていて、そこにさらに「進行方向判断タスク」が重なると脳内処理が追い付かないのです。
予防策
・ナビを入れる
・目的の出口や曲がるところの近くになったら会話を切り上げる
・そもそも運転中は会話を避ける
・同乗者に注意してもらう
最悪、ナビを入れてても耳に入ってこないなんてこともあります。一番良いのは同乗者に自分の特性を説明してサポートしてもらうことです。
口頭で3つ指示されると1つかならず忘れる
メモができないような状況で咄嗟に口頭で指示をされると、3つ言われたら1つはさくっと忘れます。かろうじて3つ覚えたとしても、それをメモに書く前に話掛けられたり電話がなるともう御終いです。
これもワーキングメモリーが足りてないからです。
予防策
・手に書き込む
・あとでメールを送るように言う
状況によりけりですが、ペンがあるなら自分の手にでもメモしましょう。
相手にもよりますが、すぐ忘れることを説明してメールで再度指示を貰えるなら貰った方が良いです。
手順を覚えた気になっても1つは飛ばしてしまう
仕事に慣れてきた時にありがちなのが、手順を覚えたはずが、1つや2つ工程をすっ飛ばしてしまうことがあります。
原因は記憶力不足です。
予防策
・手順チェックリストを作成して常に参照する
単純ですが、手順を簡易的に書き連ねたチェックリストを用意して常にそれを見ながら処理するようにしましょう。
Aをしている時にBを指示されCから電話が掛かって来ると、AとBを忘れる
これなんかはケアレスミスあるあるの代表例です。
ワーキングメモリーの不足が原因です。
予防策
・簡単でも良いので全ての行動をメモに残す
Aをしている時にBを指示されたら、Bをメモすると同時にAも簡単にメモします。請求書を作成しているなら、「請求書」とだけでも書いておきます。こうすることで完全に忘れることは無くなります。
補足で私の経験からアドバイスを言わせていただくと、ケアレスミスは前項で挙げた予防策で低減することは可能ですが、睡眠不足だったり体調が悪いとか、その他いつもと違う要素が入って来ると容易に元通りになります。
正直に言うと予防策は付け焼刃やハリボテのようなもので、体調や環境によって簡単に剥げ落ちます。
予防策や訓練を重ねることでミス確率を常人レベルまで押し上げることは可能な場合もありますが、相当シンドイ毎日を送ることは覚悟して下さい。
誰しもケアレスミスはありますが、ひどい状況なら発達障害(ADHD)を疑って下さい
前項ではケアレスミスのあるあるパターンを解説しました。
これらに共通することは、「思考の多動性からくる注意力散漫」と「ワーキングメモリー不足」が原因であることです。
で、この2つは一体なんなのという話になりますが、2つともひっくるめて発達障害(ADHD注意欠如多動性障害)から発現している特性の可能性が高いです。
もしかすると全体的に知能指数が低い「境界知能」や「知的障害」かもしれません。
高学歴で勉強はできるのに細かいミスが多いという人は「発達障害」を、勉強も全くできないなんて人は「境界知能」や「知的障害」を疑ってみて下さい。
ちなみに前者の方については、IQの観点から持論を述べているブログを見つけましたので読んでみて下さい。「ああ、まさに私はこれだ」なんて思うかもしれません。
「境界知能」については下記の記事が詳しいです。ちょっと救いの無い内容なので覚悟して読んでください。
とにかく、疑いがあれば精神科を受診した方が良いですよ。知能検査や心理検査等で自分の能力や特性を客観的に診断してくれます。
自分の持っているハンデが明確になれば打つ手も明確になります。
発達障害であれば、薬を飲むことでミス回数を低減できる場合があります。(有名な薬はコンサータ、ストラテラ、インチュニブの3種類です。)
「境界知能」や「知的障害」であれば、国のサポートを受けたり、仕事のレベルを落とすしかないと思います。
ちなみに発達障害の場合は下記の本を読むと、かなり刺さると思います。病院に行かなくても、読んで「これ自分じゃん」と思う節があるはずです。当記事のように、ミス対策方法がずらっと記載されてるので読んでみる価値はあります。
「境界知能」で有名なのは下記の本です。自覚がある人は読んでみると良いでしょう。
ぶっちゃけ若い時に気付けたらさっさと仕事を変えた方が良いです
私の主張は「ケアレスミスは一生治らない」です。
何度も言いますが、予防策や訓練で刹那的にミス発生確率を下げることは可能なものの、その日の体調や環境要素でいくらでも多発する状況に又戻りします。
ですので、もしあなたが20代や30代でケアレスミスの多さに悩むのなら、いっそケアレスミスが出ても大丈夫な仕事に変えることをオススメします。
そのまま続けても、いずれ挫折する時が来ます。その時に自分に向いてない仕事で職歴を重ねたことに必ずや後悔することになります。
40代や50代ならいっそそのまま突き進むしかないです。というか、気付くのが遅すぎです。
じゃあケアレスミスが出ても大丈夫な仕事って何よという話になりますよね。
次項で解説していきます。
ケアレスミスが許されない仕事と許される仕事
ケアレスミスが許されない仕事を挙げるならば、「一つのミスで多大な人的被害や経済的損害、厄介なトラブルを生む」仕事です。
平たく言えばあなたのミスで多くの人や会社が迷惑を被る仕事のことです。
具体的に挙げると下記のような仕事です。
<ケアレスミスが許されない仕事>
・医療係
・運転系
・事務職全般
医療系職種や運転系でケアレスミスが多い人は本当に早く辞めた方が良いです。ミス一つで人を殺す可能性があります。
事務職全般の、書類を沢山扱う仕事も全く向いてません。多分、怒られてばかりでうつ病になります。
逆にケアレスミスが許容されやすい仕事は下記の通りです。
<ケアレスミスが許容される仕事>
・個人事業全般(ミスは自己責任)
・営業
・創作系
個人事業だからといってミスが許されるというわけではないですが、全て自分の責任になるので気はラクです。ミスっても自分が損するだけ、ネチネチ怒られることはありません。
営業も、最終的には仕事を取ってくることが重要なので、小さいミスの一つぐらい大したことないです。(アポの日時さえ間違わなければ。)
創作系もケアレスミスでギャーギャー言われる職種ではないと思います。
注意点として、ケアレスミスが許容される仕事に共通するのは「スキルがものをいう仕事」が圧倒的多数ということです。
個人事業も営業も創作も、やろうと思っていきなりできるものではなく、若いころからの積み重ねで得たスキルでお金をもらうような仕事です。
だから、若いうちからさっさと見切りを付けて仕事を変えた方が良いと私は強く主張するわけです。
尚、大きい会社に勤めている場合は、同じ会社内でも色々な職種があるはずです。
上司や人事部に自分の特性を説明し、ケアレスミスが多くてもどうにかなる職種に異動させてもらうのも手です。
ちなみにこんな記事も書いてますので興味があれば読んでみて下さい。
仕事選びは「自分にできないこと」を基準に考えると幸せになれます【仕事の適性】
ケアレスミスが多い部下への対処方法
ケアレスミスが多い部下への対処方法について述べます。
ケアレスミスの頻度と被害度によりますが、重いようなら精神科の受診をオススメします。
また、社内でもミスが許されるような部署に異動させるのも手です。
軽いようであれば予防策を張ればなんとかなるかもしれません。
どの道、本人にはケアレスミスが多いということを自覚させ、どういうメカニズムでミスが起きているかも勉強させた方が良いでしょう。
ミス発生の仕組みを知らないと都度の対症療法的な対策立てで終わってしまい、新たなパターンに出くわすたびにミスが出てしまいます。
まとめ
まとめます。
・ケアレスミスが多い人は脳に問題を抱えている可能性が高い
・対策・工夫・訓練でミス発生確率を抑えることはできるかもしれない
・ケアレスミスは根治できない
・未だ若いならできるだけ早くケアレスミスが許容される仕事に変えた方が良い
・精神科を受診しよう
ここまで読んだ方の中で今仕事をしていてすぐに辞めたいという人は当ブログで即日退職方法を解説しているので読んでみて下さい。(即日退職方法がメインコンテンツです)トップページの上部カテゴリから「即日退職」をクリック、記事群を参照して下さい。
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