恐らく退職という人生の岐路に直面しているあなたにとっては
他の人の退職体験談というものが方法論として参考になるのと同時に
一種の心の支えになるかと思います。
実際に私の自力即日退職体験談を記事にしますので
ご一読頂ければ幸いです。
※2話完結となっています。
退職時の私のスペック
参考程度に退職時の私のスペックを載せておきます。
著者の退職時スペック
- 35歳男
- 大学卒業後新卒で物流企業に総合職として入社
- 13年間全国を転々としながら勤務
- 役職は一般企業で言うところの係長
- 妻有り、住宅ローン有り
- 仕事は基本的には一日最低12時間の長時間労働
- 何十個もの案件やトラブルを同時進行でこなしていく仕事
- 上司、顧客、現場、部下に挟まれる中間管理職
一言で表すと、よくいる事務系サラリーマンです。
退職をすることになった理由と契機
まず、そもそも仕事に対する自分の適性を疑っていたことが退職に舵を切った心理状態の根底にあります。
その理由は下記になります。
仕事に適性がないと感じていたこと
・マルチタスクが求められる→1つのことに集中したい
・ミスが許されない→人よりケアレスミスが多い
・スピードが求められる→マイペースにゆっくり考えたい
・大勢の前で話すことが求められる→あがり症で苦痛
・上司とのコミュニケーションが必要→自分の上に人がいるのが嫌い
・その業界の広く深い知識を求められる→全く興味が無い
・部下の管理、教育を高いレベルで求められる→そんな余裕無い
・役職者として会社の収支に責任を求められる→会社の収支に興味が無い
またこの他にも下記のような不満や不安を抱いていました。
当時会社に抱いていた不満・不安
・同年代で先に課長になった人たちが皆揃って苦しそう
・上に行くにつれて待っているのはラクな仕事ではなく重い責任と激務
・広く浅くのジェネラリストであったが、会社がスペシャリストを求めるように
・女性管理職推進の波を受け、5年後輩の女性が私の予定していたポストに
・平日は猛烈に働いて土日はぐったり寝ているだけ、遊ぶ気力も出ない。
こんな状態の中で下記の事態が起こります。
・サービス残業の強制
・同僚全員の前で上司からの理不尽な強い叱責
退職に至る直接的な原因としては小さいものかもしれませんが
普段から会社への気持ちが離れ気味な私には退職に奮い立たせるには
この2つの攻撃力は十分でした。
ただでさえこの会社で働き続けることに疑問を感じているのに
サービス残業を強制されては最早私にはこの会社で働くメリットはありません。
また同僚全員の前で怒鳴られたことについては
当時私は何人も部下がいて教育係であったのにその権威性を失わせ
また、私としてもいい歳でこんなに怒鳴られるのは自分に適性が無いからだと
完全にやる気をなくしてしまいました。
人生の岐路で「なんとなく右に倣え」はやめた方が良いという話
私が会社で13年間も無為に過ごしたのはそもそも高校生時代になんとなく抱いていた夢(ゲーム開発、シナリオ作成、作曲などのモノづくり)があったにも関わらず潰しが利くしなんとなく右に倣えで、とりあえず大学へ進学したことです。
大学入学後は勉強はそこそこに当時流行っていたボーカロイド作曲に没頭したもののプロレベルになる前に就活の時期を迎え、これまたなんとなく右に倣えで大して興味も無い業界の会社に入ってしまいました。
仕事をする中で適性が無いのではないか、本当に自分はこの業界に興味があるのかと日々自問自答しながらも自分の努力不足だろうという精神論で13年間勤め続けましたが、やはり限界に達しました。
さらに最悪なのは13年間務めたのに一人で食っていけるようなスキルが何も残らなかったことです。私の働いていた物流業は会社の持つ施設や物に依存して仕事をする形態だったので、こういう結果になりました。
「なんとなく右に倣え」はやめた方が良いです。
退職の経緯
ふつふつとした怒りと「もう無理」という感情が湧いた私は退職を強く考え
2週間ほど「本当に退職をして良いのか」についてどっぷり考える期間を設けました。
出した結論は、分かる通り「もう退職して別の道を探そう」でした。
上司へ退職の申し入れ(電話)
週明けの月曜日に早速上司に面談申し入れをしたかったのですが
上司は終日不在だったため、翌日の面談のアポを取るため電話しました。
その電話の中で上司から要件を聞かれたので
「退職します」
とはっきり伝えました。
退職申し入れ時の定石として「相談があるのですが」とか「退職したいと”思ってます”」と言うのはNG。上司は付け入る隙があるとみて、あの手この手で退職を断念させようとしてくる。
まさか13年間も務めた私がそうそう簡単に辞めると思っていなかったようで
「え!?マジで!?」と驚かれました。
(そもそも、私が妻もいて住宅ローンも抱えている中で、そうそう簡単に辞めるとは夢にも思ってなかったからこそ安易に怒鳴ってきたわけです。)
理由も聞かれましたが
「別の道に行きたいと考えている」とポジティブな理由しか言いませんでした。
ネガティブな理由を言ってしまうとそこを改善するからとか異動させるからと言って
遺留を掛けられてしまうからです。
辞める意思が固いならポジティブな理由しか言わない方が良い。
ネガティブな理由、例えば「仕事量が多すぎる」「人間関係が辛い」だと、そこを改善するからと言われて話の骨を折られ有耶無耶にされる。
退職の重い話ですので、翌日上司と直接面談することになりました。
上司との面談は特に何事もなく
職場の人が帰った夜に上司と面談をしました。
私は退職願を提出し、今週か来週にでも有給休暇に入りたいと伝えました。
ちょうど業務が落ち着いた時期であったので引継ぎも簡単に終わると考えてたのです。
上司からすると、私の退職申し入れが急過ぎ、また退職するような素振りもなかったので
一時の気の迷いかもしれないからと、部門長のアドバイスも聞いてみてくれと
後日に部門長、上司、私の3人で面談をすることになりました。
尚、この時提出した退職願は署名以外をワードで書いており
社内規定では全文手書きの必要があるからと突き返されています。
退職願や退職届の書き方を規定する法律は無い。
極論、就業規則や退職規程に書かれている書き方のルールは無視しても構わない。ただしワードで書く場合は最低限署名だけは手書きにしよう。(重みのある書類であり、誰が書いたかが重要であるため)
上司と部門長との面談で退職日を先延ばしされる
上司との面談の数日後に部門長、上司との面談を行いました。
部門長は開口一番「今月の退職はありえない」と私に言い
さらに下記のような理屈を述べてきました。
・社会人としてそんな急に辞めるのはありえない
・役職者であるのだから、部下後輩への精神的ケアを考えなさい
・引継ぎもそんな短期間でできるレベルの業務を任せてはいない
・以上のことから早くても来月末、できれば再来月末である
会社としては急に辞められても人員補充ができないので
なるべく時間稼ぎをしたいのが見え見えでした。
私もこの時は法律知識が無かったものの
引継ぎは1週間程度で終わると計算していたため
「来月や再来月まで居る意味が分からない」と反論はしました。
ただ、相手は海千山千の部門長で、且つ頭もキレる人であったため、何を言っても上手く躱されました。
4時間の議論の上深夜になり、私もヘロヘロで、やむを得ず最終出勤日は来月末で一旦承諾しました。
刑事に問い詰められ、やってもない罪を自白してしまう人の気持ちが良く分かりました。
上司や部門長との面談の前に法律をよく勉強しておけば良かったと後悔しています。
面談では精神論やわけの分からない主張をされても法律を知っていると有利に進められる。
退職時に覚えておいた方が良い法律は下記の記事にまとめています。
「会社に明日から行かない」を可能にするには【法律知識編】覚えるのは8つ
やる気のない毎日を過ごす
以上の面談は最終出勤予定日の前月初頭に行ったので
私は最終出勤日まで2か月間は会社にいないといけなくなりました。
この期間が非常に辛いのです。
既に退職が決定していて、且つ別の道に進もうとしているわけですから
業務知識を新しく覚えることや会社に貢献することに価値を見出せないのです。
さらに当時の私の業務量から考えて引継ぎ期間2か月は長過ぎたのです。
係長だったので実務は少なく、見積もりや新規案件立ち上げ、トラブル対応、部下管理がメインでした。
正直それをやれる人間は上司だけであり、上司は引き継がなくてもできるのだから、引継ぎ期間は明らかに不要だったのです。単純に上司が大変になるだけなものです。
また、同僚の中には明らかに冷たく接してくる人も出てきてました。
私は私で別の道で食っていく準備に気持ちが完全に向いていて
職場では「心ここにあらずの状態」であり、この状態で2か月間過ごすというのはもう無理だと思いました。
全く自分にとってメリットが無い2か月間なのです。無駄過ぎます。
最終出勤日までは長ければ長いほど辛い
即日退職を決意し方法を模索する
無為な2か月を過ごすのは無理だと悟ったので
ここからすぐにでも会社を去る方法が無いかと模索し始めます。
模索期間は1週間です。
退職申し入れをした月の中旬の頃でした。
今の時代ですから初手はグーグルでの検索です。
「即日退職」等と検索して、検索結果の20ページまでのサイトは全て読み
会社の就業規則についても退職が関係する項は暗記するぐらい読みました。
この時に退職代行への依頼も選択肢に有りましたが
下記の理由から自力でやることを決めました。
・退職後のことを考えできるだけお金を使いたくない
・怒りのエネルギーに満ちていて元気だった
・自力即日退職は何かしら今後の人生でネタになる
(結果、こうして趣味でブログを書いています。)
こうやって1週間練りに練った自力即日退職の方法が
「書き置き&人事部長巻き込み作戦」です。
ここからが正念場になりますがここで一旦切ります。
「書き置き&人事部長巻き込み作戦」の具体的な内容と
決行と結末については次の記事をご覧ください。
自力即日退職した体験談を赤裸々に述べます【その2】終わってみるとあっけない
尚、即日退職のノウハウを詰め込んだ記事は下記になります。
「会社に明日から行かない」を可能にするには【知識とノウハウまとめ編】
退職代行に依頼したい場合は下記の記事を参考にして下さい。
退職代行業者の選び方を解説【3つに絞りました】労働組合・弁護士の運営母体を選ぶべし